PBR
ぴーびーあーる
株価純資産倍率 (Price-to-Book Ratio)。株価が 1 株あたり純資産 (BPS) の何倍かを示し、解散価値との比較で割安・割高を測る指標
PBR (Price-to-Book Ratio, 株価純資産倍率) は、株価を 1 株あたり純資産 (Book-value per Share, BPS) で割った値である。「時価総額 ÷ 純資産」と表すこともでき、市場が会社の純資産価値の何倍で評価しているかを示す。PBR が 1 倍未満ということは、市場時価総額が純資産価値を下回っている状態であり、理論上は会社を清算した方が株主価値が大きい計算になる。日本市場では PBR 1 倍割れの銘柄が多く、東証は 2023 年に「資本コストや株価を意識した経営」を要請した。
計算方法
PBR は「株価 ÷ BPS」または「時価総額 ÷ 純資産」で計算する。例えば株価 1,500 円、BPS 1,000 円なら PBR は 1.5 倍。BPS は最新の決算短信または有価証券報告書に記載の純資産を発行済株式数で割って求める。自己株式の調整、優先株式の有無、企業結合会計など、純資産の捉え方には複数の論点があるため、データソース (証券会社の銘柄ページ、Bloomberg、QUICK など) によって若干の差異が出ることがある。
業種別の適正水準
PBR の「適正水準」は業種により大きく異なる。銀行業は規制資本要件があり ROE が低めなので PBR 0.5-0.8 倍が標準的、鉄鋼・海運などのシクリカル業種も 0.8-1.2 倍程度が長期平均となる。一方、IT サービスやブランド消費財などの無形資産集約型業種は 3-10 倍以上の PBR が珍しくない。同業他社との PBR 比較や、自社の過去 5-10 年の PBR レンジとの比較が、絶対水準より実用的である。
ROE との関係 (デュポン分解)
PBR は理論上「ROE × PER」で表される (ROE = 当期純利益 / 純資産、PER = 株価 / EPS)。つまり ROE が高い企業ほど PBR も高くなりやすく、低 ROE 企業は構造的に PBR が低くなる。東証の 2023 年要請は、低 PBR の構造的原因として ROE の低さがあることを企業に認識させ、自己株買いや事業再編で ROE を引き上げる動きを促した。投資家として PBR を見る際は、必ず ROE と一緒に評価し、「低 ROE × 低 PBR」のバリュートラップに陥らないよう注意したい。